島村楽器の NT-501 を試奏してきた。
以前、NT-501M を試奏した時には何もわかっちゃいなくて、Gのオープンコードをガーンと鳴らして「低音が無い」で終わってしまった。後から思い出すと、バランスは良かった気がした。タイトな音だった気がした。
NT-501はスプルース、ローズな構成。スプルースはイングルマンだそうです。
NT-501Mはシダー、マホガニーで南澤大介さん仕様。
今回弾いたのは NT-501。スプルース、ローズの方。
軽い。すごく軽い。アコギの重量の差って殆どの部分が塗装だと思うので、塗装が薄いんだと思う。軽いのと塗装が薄いのとで綺麗な音がする。胴鳴りの中に弦の音がはっきり聞こえる感じ。
この特性を考えてのことか、ピックアップはピエゾではなくコンタクトマイクが付いてる。アタックやサスティンで弦の音が綺麗に出るので、ピエゾでプリパキな弦の音をひねり出す必要がない。
軽いからなのか、構造が素晴らしいのか、すごく反応する。弱く弾いても弱いなりの胴鳴りがある。高音弦を爪弾いてもちゃんと胴が鳴る。
所謂イングルマンの音色っていうのを知らないんだけど、すごく広がる感じの響き。柔らかいんだけど、すごく響いてる。
そんな音色。
バランスがいい。
かなり思い切った方針で作ったようで、6弦と5弦のトーンが同じ。
普通はストロークした時の事を考慮して、6弦は他の弦より低音が多めに出るものがほとんどだけど、このギターは5弦のトーンで6弦が鳴る。指でベースとメロディを引き分けるとベースが弦を移動した時の音色の違いが気になるんだけど、このギターは同じ音色で出る。
そのかわりGのオープンコードをストロークしてもバァーンとは鳴らない。弾き語り的なストロークには使用不可。でも指弾きにはすごく嬉しい。そんな設計。
デッドポイントはG#にあったけど、曲の中でG#を弾いても気づかないレベル。
最高に気に入った点。
バランスが綺麗に取れてるうえで、音ヌケが100%パーンと出て来ない。うまーーいこと9割くらいのヌケになってて、ポジションを変えても大体同じくらいのヌケで鳴る。暴れる所や引っ込む所も無い。こんな事が可能なのか...と思ってしまった。
これで音が枯れたら...?と思うとヨダレが出る。
ものすごくいいものだと思ったけど、あまりに潰しが効かない設計なので保留。その手のモノを持つのはまだ早い。まだ早い...。
このギターを手に入れたとしても、傾向が違いすぎてアディロントップのギターが欲しい欲求はこれっぽっちも収まらないのも問題。
NT-501 はいいギターだったけど、展示品とはいえネックが反り過ぎ。
「弦高が低いでしょう?(ドヤッ)」「えっ全然?」っていうやり取りになった。
調整した時に鳴りが変わるわけでしょう...?買えないよ...。
ウェブ上でだれか NT-501 のレビューをしてないか?と思ってググって見たけど全然見つからない。ヘッドがダサいからなぁ...。虎目の突き板を張ったレスポールとかなんの間違いかと思ったよ...。ってあれ?6120はカッコイイのになんでコレはダメなんだろう?
それなりのギターを買うときは大規模店より中小規模のコダワリショップで探す人のほうが多いっていうのもありそう。