2020/03/01(日)フルプレは戦士のロマン

20年前、Ultima OnlineというオンラインゲームではフルプレートメイルにVanquishingハルバードが戦士のロマンだった話は置いておく。
フルレングスのカーボンプレートが入ったナイキズームフライ3という靴を履いて走ったのでその話。

長距離用シューズのくせにランナーじゃない人たちにまで世界中で知られている、ナイキヴェイパーフライネクスト%のトレーニングエディション的な位置づけの靴。
靴のソールのつま先からかかとまで全体に渡って炭素繊維製の板が埋まっている。

結論を先に書くと、好き。

ちょっとウォーミングアップで温まってから、5km区間をペースアップして走ってみた。
数日前にペガサス36で同じようなことをした場合との比較。
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ペガサス36のときは、そんなに気構えてないのでもうちょっと速く長く走る力は持っていたはず。それにしてもズームフライ超速ぇ。
ペガサス36でも 4:00/km を上回った瞬間はある。でも、4:00台で1km以上継続するとか、まして2km以上継続っていうのは無理だった。むしろ記録したときにはそれより遅いペースで 3kmでバテている。
今回も実は 4kmでバテている。2km区間の 4:22 はウォーミングアップのつもりが先走っただけで、意識的にペースを上げたのは 3km区間から。これもズームフライの凄さかもしれない。うっかり 4:22/km で走るなんて頭岡C。

この靴は、正しいフォーム、特に重心に対する正しい着地位置を強いてくる。
最初は後ろに着地しすぎだったかもしれない。というか筋力がつけばそれもいいかもしれない。ビンビンに反発して俺の力を超えたスピードを要求してくる。しっかり腰を入れて蹴り出し、腸骨筋あたりを押し出す振り出しなどなどの筋力が充実するまで待っててね。
着地位置をちょっと前目に戻して、反発の方向が前過ぎず、ちょい上めに返ってくるくらいの着地に合わせたら丁度いい具合になった。実測したらミリ単位の差かもしれないけど。
ウォーミングアップしながらそんなことを試していた。

ナイスなポイント。

股関節が痛まない。

この効果が最高に嬉しい。
おじさんなので走った後に関節とか腱とか筋とかいろんなところが痛むことがあるんだけど、ここ一月くらいでそれがなくなってきていた。それでも完全ではなくて、着地するときの重心が前に出てしまう事があると股関節に痛みが出たり炎症っぽくなる事があった。走った後に多少の痛みは必ず出ていた。
この靴が重心に対する正しい着地位置を強いてくるせいで、筋肉疲労は今までに無いほど来てるのに、股関節の違和感が全く無い。全く無い。大事なことなので2回言った。全然無い。
股関節のヘンな負担が無いフォームで走れたのはスゴい。奇跡。優勝決定。

負荷がかかる筋肉

足底とハムストリングスに良い負荷がかかりまくる。
  • 5:00 を切るくらいのペースで走るためには、着地位置を意識すればいけた。キレイじゃなくてOK.
  • 4:30くらいまでは大臀筋に真っ直ぐ乗る感覚を意識すればいけた。乗れていれば全力で蹴れなくてOK。
ここから先は、骨盤とか腸骨筋の位置から前に出るような意識を持って、その反動でハムストリングで強く蹴り出すような、腰の入った大きく股関節を使うフォームが必要だと感じている。具体的な策が以下。
  • ハムストリングスの強化
    • ハムストリングスと内ももが繋がってる腱にかかる負担がヤバい気がしたので筋トレしようと思ってた
  • 足底の強化
    • 足りてるかな、と思っていたけど、フリーラン3.0でスピードを出してみたらもうちょっと強化が必要っぽかった
というのを考えていたんだけど、まさに、この靴でかかる負荷はドンピシャリ。がばちょと解決してくれた。ドン・ガバチョ。

足の甲とアッパーのアタリ

ペガサス36があるのに新しい靴を探した理由は、足の甲とアッパーがあたって痛みが出てきたから。
以前は痛まなかったので、洗ったせいで縮んだのか、一時的にむくんでしまっているのか。
フリーランだと痛みは出ないので、その辺を目安にしながらいい具合の履き心地のシューズがほしかった。
候補はド定番の三足
  • ズームフライ3
  • ペガサスターボ2
  • リアクトインフィニティ
ズームフライもペガサスターボ2も、アッパーがもっと締め付けるのかと思ったけど予想外に優しい。
ペガサスターボ2はクッションも嫌いじゃない。好き嫌いが分かれるらしいけど、俺には前足部のクッションはありがたい。

リアクトは試せなかった。

フルプレのロマンを追ってズームフライを選択。

着地の衝撃が優しい

履いた感じはザブングル加藤といい勝負なくらいカッチカチなんだけど、ちゃんと反発をもらうように走ってあげると衝撃はない。ただし効果が出るのは 4:30/km くらいの速度から。
5:00/km ペースだと効果がなくはないけどちょっと微妙。テンポを落として、一歩一歩体重を掛けて反発をもらうようなリズムになるかも。できれば身に付けたくないリズム。

ロッカー構造

ソールが弧を描いていて、転がるように動く事で着地から踏み出しまでの動作がスムーズになる。らしい。
踏み出しができる角度のまま着地する感覚で走っているので、転がる感覚はあんまりない。実際にはそんな着地は無理だし転がらないわけはないので、きっと恩恵は受けている。
ただ、着地のときに土踏まずの頂点より後ろに荷重が乗っているようだと逆効果になりそうに感じた。ロッカー構造は中足部より先の動きしか想定していないようで、かかとからつま先まで転がる形にはなっていない。
この辺が初心者が履いてはいけない理由だろうか。
つーか上り坂がキッツイ。坂道で中足部着地して反発をもらうとふくらはぎにかなりクる。とはいえかかと着地すればヘンな跳ね返り方をする。どうしたらいい?


以下、ランニングフォームについてダラッダラ~ッと。
プレート入りのシューズは、
  • 着地がフォアフットじゃなきゃいけない
  • 体幹が強くなきゃいけない
とかとか言われる。この辺、4:30より速いペースで距離を踏める人なら大抵出来ている気がする。
ランニングフォームの最初の基本「骨で立つ」≒「お尻の筋肉で蹴る」≒ 「重心の真下に着地する」は3つとも繋がっていて、これができてればOKじゃない?という気がする。

骨で立った重心にまっすぐ推進力を与えたらお尻の筋肉で蹴る事になる。勝手になる。太腿やふくらはぎを使ってしまうのは、力を加えるべき場所が重心からずれているせい。そもそも、後ろに蹴る力を太腿を使って生み出すことは出来ない。

お尻の筋肉に重心を真っ直ぐ載せるには重心の真下に着地していなければいけない。
上記の通り、つま先が体より前に着いたのではお尻の筋肉との延長線が後方に向かってしまう。真っ直ぐ足を伸ばしたら後ろに飛んでしまう。

真っ直ぐ立った骨から真っ直ぐの位置に足を下ろすという事は重心の真下に着地するという事。
つまり「骨で立つ」。これを前傾姿勢で行うと、進む。

フォームについてはえらいひとの説明を受ける方が早い。
高岡尚司のゼロベースランニングチャンネル
ここは、いろんなドリルを紹介していろんな事を説明してくれている。でも全編通して言っている事はほぼ一つ。正しい着地。これを実践する方法を手を変え品を変えて教えてくれている。
わかんない、とか言わずに参考にするべき。聞きかじり、思い込み、オカルト、トンデモ科学にまみれて不整合を起こしてる他のランチューバーとは正しさが別次元。

あと
Keitaro Fitness Channel
のドリル。各ドリルの目的とそのために何を意識するのか。俺は現役時代にトロッティングのやり方や意味を聞いても答えられる先輩はいなくて、なんのために何してんのかあっぱらぱーだった。なんつうアホ集団だよ。
着地に重点を置いた腿上げとかトロッティングとか、すっごく大事。