2021/07/17(土)スピードに関わらず同じフォームで走る

再現性のお話。

LSDの時に普段と違う疲れ方をしてしまうのはフォームが変わっているからなので、動きを変えないようにしましょう。と言われる。
スピードランニングの動画をスロー再生したものとLSDの動きが同じであることが理想、という話もどこかで聞いた気がする。どこだったかは忘れた。なるほどな。

聞いたときはなるほどな、と思ったんだけど、果たしてそうだろうか。
ランニングに限らず、いろんなスポーツのトレーニングで「再現性」が大事だと言われる。
LSDとスピードランニングのフォームが同じ、というのもこの再現性を持たせた結果。

再現性、という言葉の解釈になるんだけど、動きが同じことと筋力の使い方が同じことは等価だろうか。
等価であれば平和な世界なんだけど、等価でないとしたらどちらに対して再現性を持たせるべきだろうか。んで、きっと等価ではないだろう。

っていう事を結構以前から考えています。

ランニングでもスプリントでも、荷重を支持脚の反発の軌道上に真っ直ぐ乗せてあげる事はとても重要。
そのためにはゆっくり走っているときは体が左右にブレる。左右の股関節は体の中心から外れた位置についているので。
スピードが上がってくるとブレは少なくて良くなるし、ブレがなければ体幹を固定する事ができる。固定した分のエネルギーはうまく体を使えば打ち消すことなく股関節の動きに足す事ができるので、動きが変わる。重心の動かし方の再現性を大事にしているのにフォームは異なる。

嫌い過ぎて以前も何かの例に挙げた気がするけど、頭の悪いランニングコーチランチューバーが語るカーフレイズの再現性が何も再現していなかったりする。
まず、カーフレイズには動きの再現性はそもそも無い。カーフの収縮で推進力を発生させるフォームはよくある間違いで、4:30/km くらいのペースで頭打ちになってその先を目指すと怪我をする、ってところじゃないですか。
カーフレイズに再現性をもたせるとすれば、負荷の掛かり方を再現する事が大事かな、と思う。
収縮させるのではなくて、アキレス腱が伸びた状態でネガティブな負荷をかけたり抜いたりする。

カーフに限らず、支持脚の機能を担う筋肉はアイソメトリックトレーニング*1で鍛えるのが最適だろうし、実際のランニングでもそのように動いているかを意識する事が大事だろうと思う。関節のロックとかブロッキングとか言われる動きを担当する筋肉を積極的に収縮させたらダメ。

って、考えると、派手な筋トレっぽい筋トレが有効なのは大殿筋、ハムストリングス、内転筋が 6:2:2 くらい、あとは地味ーなアイソメトリックトレーニングが有効になる。挙げたデカイ3つもアイソメトリックが必要っていう、地味な世界。

なので、ランニングの再現性を持たせた筋トレをするならどの部位においてもプランクが良い。
ふくらはぎを収縮させたり、チューブを使ってハムスト下部を収縮させても意味がない。弱いうちはまず鍛えやすい鍛え方で鍛える、という事ならありだけど、いつまでも筋収縮を鍛えていても意味がない。
動いてないけど、動きを再現するための負荷を再現する事ができる。

*1 : 筋肉を収縮させずに負荷に耐えるトレーニング